ネットワークエンジニアの仕事内容を具体的に知りたい。自分でもできそうかな?ときになっていませんか?
この記事ではネットワークエンジニアである筆者が仕事内容をわかりやすく紹介していきます。
筆者も未経験からネットワークエンジニアとなったため、知っておいた方が良い点をまとめていきます。
ネットワークエンジニアに転職したあとに後悔しないようにぜひ最後まで一読ください。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事は大まかに設計・構築・運用・保守と分けられます。
分類 | 仕事内容 | 必要な技術力・経験 |
設計 | お客様とネットワークの仕様を定め、それを満たすように設計書に落とし込む | ★★★★★ |
構築 | 設計書通りにネットワークを構築し、想定通り動くかテストする | ★★★★☆ |
運用 | ネットワークを問題なく稼働させる | ★★☆☆☆ |
監視 | ネットワークに異常がないかチェックする | ★☆☆☆☆ |
上位職ほどスキルや経験を求められ、責任・ストレスも大きくなりますがその分、高収入を得ることができます。
設計の仕事内容
設計とはお客様の要望を要件定義書に落とし込み、それを技術的に実現できるように設計書にする業務です。
お客様やベンダー(IT関連製品の販売業者)とのコミュニケーションをとる機会も多くネットワークに関するスキルだけでなくコミュニケーション能力も必要となります。
設計では下記の点に考慮しながら進めていきます。
- 負荷分散(同じ機器に負担がかからないようにする)
- ルーティングの設計(ネットワークの経路)
- 冗長構成(回線が切れてもすぐ切り替わるように設定する)
- セキュリティ対応(セキュリティ事故が起きないようにする)
- ルータやスイッチ等、機器の選定
ネットワークエンジニアとしてのスキルも経験も必要な仕事内容で給与も高くなります。
構築の仕事内容
構築とは指示書や設計書に沿ってネットワーク回線を構築していく業務です。
具体的には、コンフィグ(ネットワークの設定)の作成と投入を行います。
また、実際の機械(ルータやスイッチ等)の取り付けも行います。
ネットワークの構築は期限がある場合がほとんどです。
構築が完了すると想定通り動作するか検証を行います。
ネットワークに問題がある場合は切り分けを実施します。
切り分けとはどこに問題があるのか原因探求する作業です。
未経験から構築フェーズに入ることは少なく監視・運用で2~3年程度経験を積んでから構築フェーズに移行することが多いです。
※検証で経験を積んでから構築フェーズにステップアップする場合も一部あります。
運用の仕事内容
運用仕事内容はネットワークの障害対応やネットワーク更改(ネットワークの構成を変更すること)をする業務です。
運用の中にはネットワークが問題なく稼働しているか確認する監視業務も含まれることが多くあります。
ネットワーク回線は問題なく稼働しているか常時確認する必要があり、24時間365日シフト制での勤務になっているところが多いです。
(24時間365日シフト制を「24/365(読み:にーよんさんろくご)」と呼ばれています)
ネットワークエンジニアの仕事の一日を紹介
ネットワークエンジニアの一日を作業フェーズごとに紹介します。
ネットワークエンジニアがどのような日々を過ごしているのかイメージしていただければと思います。
運用・監視部門の一日
まず、大前提として運用・監視部門は24時間365日稼働しています。
そのため、ネットワークエンジニアの業務も24時間365日のシフト制となります。
勤務形態は看護師さんや警察官をイメージしていただくといいと思います。
事実、看護師さん用のスケジュールアプリを使用していた人は多いです。
私が運用・監視部門で働いていた時は、次のようなシフト勤務でした。
- シフト:日勤→日勤→夜勤→夜勤明け→休み→休み
- 日勤の勤務時間:9:00~18:00
- 夜勤の勤務時間:17:00~翌10:00
- 日勤と夜勤が重複しているところで業務を引継ぎます。
夜勤を例に紹介します。
補足しておくと日勤も夜勤も業務内容は変わりません。
16:45 会社到着
17:00 出勤
引継ぎを行います。
18:00 定常チェック一回目
ネットワーク監視ツールを使用してネットワークに異常がないか確認します。
20:00 報告書作成
定常チェックしてイレギュラーがあったポイントを報告書にして残します。
21:00 ネットワーク更改用の手順書作成
空いている時間で、後日予定しているネットワーク変更の手順書を作成します。
夜中だと眠いので早いうちに作成します。
24:00 定常チェック二回目
26:00 報告書作成
深夜は特に何もなければ定常作業の他は待機です。
会社からは自己啓発のために資格取得の勉強を奨励されます。
30:00 定常チェック三回目
32:00 報告書作成
33:00 翌日勤務の担当者に引き継ぎ
34:00 業務終了
トラブルがなければ定常作業がメイン業務になります。
空いている時間で、予定しているネットワーク更改(手順書作成など)の準備をします。
ここだけの話ですが、平常時はまとめサイト閲覧やソシャゲをやっている人も結構います。
3~5人でチームになることが多く、交代で仮眠をとります。
構築・検証の一日
構築や検証業務は基本的に通常通り日勤になります。
ネットワーク構成変更時に、夜勤をするケースがありますが月に1度程度です。
構築と検証の一日はルーティン作業になるケースが多いです。
9:00 出社
9:15 コンフィグ作成
12:00 昼食
13:00 検証業務開始
午前中に作成した設定通り機器が作動するかチェック。
これは実機(実際のルーターやスイッチ)を使用するため作業に時間がかかります。
16:00 試験結果を報告書にまとめる
17:00 翌日の準備
18:00 退社
構築・検証の仕事内容は「コンフィグ作成→テスト→コンフィグ作成→テスト・・・・・」の繰り返しです。
コンフィグとはネットワークの設定のことです。
コンフィグ作成ツールを使用して作成します。
検証やコンフィグ作成は部署内で時間をそろえるケースが多いです。
そのため、時間の融通は少し効きづらいです。
その後、コマンドプロンプト(コマンドを入力して作業を行うツール)より投入します。
要件定義・設計の一日
要件定義・設計は完全に日勤です。
また、夜勤対応はほとんどありません。
1人あたり3社程度のクライアントを掛け持ちで対応するケースが多いです。
そのため、マルチタスクが得意な人が望ましいです。
以下は要件定義担当のスケジュールですが設計担当もほぼ同じです。
9:00 出社
9:15 メールチェック
10:00 A社とのWeb会議
11:00 B社とのWeb会議
12:00 昼休憩
13:00 会議で決まった内容を要件定義書に記載
14:00 社内打ち合わせ
基本は「社外と打ち合わせ」→「要件定義書にまとめる」→「社内向けに展開する」
このループです。
上手く回っているうちはやりがいを感じられ楽しいです。
しかし、いったんうまくいかなくなると社内と社外の板挟みにあってしまいます。
ネットワークエンジニアの年収は250万円〜1,000万円
ネットワークエンジニアの平均年収は455万円です。
参考:職種別平均年収ランキング ネットワークエンジニア|マイナビエージェント
あくまで平均値です。
私がネットワークエンジニアになったばかりのころは全く稼げませんでした。
派遣社員で時給は1,280円でした。
160時間勤務で年収250万円(月収20万円)程度です。
アルバイトに少し毛が生えた程度だったことを覚えています。
その後、キャリアアップを重ねて、給料はほぼ倍になりました。
この章ではネットワークエンジニアの仕事内容と年収についてお伝えいたします。
先述した通りネットワークは運用・監視から業務を始めることが一般的です。
具体的には
- 運用・監視
- 構築・検証
- 設計・要件定義
といったようにステップアップしていきます。
それぞれの担当フェーズでの大まかな年収をここでご紹介いたします。
エンジニアとしてのキャリアアップイメージをつかんでいただければと思います。
大前提として以下の年収は概要です。
もちろん例外もたくさんあります。
次からはネットワークエンジニアで担当する工程ごとの年収について解説していきます。
運用・監視:年収250~550万円
運用・監視の年収は250万円〜550万円が相場となります。
年収250万円と下限値が低いことには理由があります。
ネットワークの運用・監視(特に監視業務)にはそれほどスキルの必要としない業務もあるからです。
スキルを必要としない業務とは「機器のランプが赤く光ったらA部署にTELする」等です。
当然そういった部署ではエンジニアであっても給料は高くありません。
派遣社員であれば時給1,200円で募集されています。
そのため、運用監視のフェーズでは年収の下限が低くなってしまいます。
また、上限の年収も高くなりづらいです。
要は、努力してスキルを身に着けても年収アップしづらいのが運用・監視フェーズの特徴です。
理由は、部の予算があらかじめ決められているからです。
会社は予算作成の段階で運用保守の費用を決めています。
そのため、おのずと人件費にも上限値ができてしまい給料はアップしづらいです。
また、運用保守は成果が目に見えないためコストカットの対象にもなりやすいです。
よって、運用・監視フェーズの年収はそこまで高くありません。
構築・検証 年収380~850万円
構築・検証フェーズになると上限年収が大幅にアップし、年収380万円〜850万円が相場となります。
理由は、フリーランスのネットワークエンジニアが構築フェーズ活躍しているからです。
ネットワークエンジニアは3年程度経験を積めばフリーランスになることは容易です。
また、月単価70万円を稼ぐことも難しくありません。
構築フェーズにはそのようなフリーランスが大勢います。
そして、フリーランスのネットワークエンジニアが上限年収を押し上げています。
ただ、会社員だと安定と引き換えに年収はそこまであがりません。
500~600万円位がボリュームゾーンです。
設計・要件定義 年収550~1000万円
ネットワークエンジニアの花形である設計・要件定義の年収は700~1,000万円が相場です。
フリーラスで設計業務を担当できれば年収1,000万円超えも十分可能です。
ただ、その上の要件定義はフリーラスエンジニアではなくその会社の社員が担当するケースが多いです。
ネットワークの知識だけでなく、自社の内情もわかったうえでお客様と折衝できるためです。
また、ノウハウを自社に蓄積したいという会社側の思惑もあります。
そのため要件定義のフェーズでフリーラスとして勤務する人はあまりいません。
ところでネットワークエンジニアの将来性はどうでしょうか?次で解説していきます
ネットワークエンジニアの将来性
ネットワーク業界の今後はクラウド化していきます。
これまでであれば
- ネットワークエンジニア
- サーバエンジニア
- アプリケーションエンジニア
と別れていました。
それが、クラウド化され各領域があいまいになりつつあります。
よって、これからはネットワークエンジニアであってもアプリケーションやサーバの知見が必要です。
このクラウド化の波にキャッチアップできればネットワークエンジニアとして大活躍できるでしょう。
つまり幅広い分野を吸収・チャレンジし続けられる人が大きく活躍できるようになるでしょう。
ネットワークエンジニアのキャリア形成
ネットワークエンジニアのキャリア形成は運用や監視業務からスタートし、構築、設計といった形で上流工程に向かってステップアップしていきます。
運用を3年経験したから構築へステップアップといった具合でキャリアアップし年収も上がっていくでしょう。
企業によっては上流工程できる機会がないため転職することもあります。
筆者は下請けの運用からキャリアをスタートしましたが、その経験からお伝えすると3~5年おきに転職しているように感じます。
ネットワークエンジニアのやりがい
ネットワークエンジニアのやりがいについては、他の業種と比べて年収が高く、スキルが身につきながらステップアップできる仕事という点が大きなポイントです。
そのため、スキルや経験があれば学歴の影響を受けず大手に転職ができますし努力が収入に直結しやすい環境です。
また、知的労働のため働いている人のリテラシーが高くオフィスもきれいで快適です。
ネットワークエンジニアに求められる適性
ネットワークエンジニアに求められる適性は自ら進んで成長することです。
特に資格取得時はプライベートでも勉強しなければなりません。
私も平日は3時間、土日は8時間程度勉強していました。
勉強しなくてもネットワークエンジニアとして仕事をすることは十分可能です。
(むしろ勉強しない方が多数派の職場もあります)
しかし、ネットワークエンジニアとして活躍してステップアップするには自学自習が必須です。
自学自習できるエンジニアは会社でも一目置かれ、より成長できることでしょう。
まとめ
ネットワークエンジニアのエンジニアの仕事内容は普段あまり表にでてきません。
エンジニアがメディアでフォーカスされても開発系が取り上げられることが多いです。
なので、インフラ系エンジニアについて知る機会が少ないのではないかと思います。
私自身もこの業界に入ったのは派遣会社の担当に勧められたからです。
それまでは、ネットワークエンジニアという仕事の存在もしりませんでした。
この業界は一見難しそうですが敷居はとても低いです。
この記事が読者様のお役に立つことができれば幸いです。
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