社内SEとは?仕事内容・年収・必要なスキルをわかりやすく解説

「社内SEはなんだかラクそう。転職してみたいな」って考えたことはありませんか?

IT業界ではよく聞くこの疑問をこのページで解消していきます。

調べていくと確かに楽でストレスフリーな社内SEのポジションもありますが、それは一部です。

このページでは社内SEの仕事内容を具体的に紹介し、必要となるスキルや資格を紹介していきます。

そして社内SEのイメージをつけた後におすすめな求人の探し方を紹介しています。

結論を先にいうと、社内SEの業務範囲は会社によって大きく変わるため転職エージェントによる相談が必須となります。

非公開案件も多く、エージェントしか知らない情報も持ち合わせているため社内SEを検討している人は変に悩む前に相談しにいきましょう。

この記事を読めば、社内SEの仕事内容が具体的に理解でき、あなたの転職を成功させるための進め方が分かることをお約束します。

IT業界に10年以上かかわり、社内SEに3人転職した事例ををもとに紹介していきますのでぜひ最後までお読みください。

社内SEとは何?仕事内容/年収/キャリア/1日の過ごし方をわかりやすく解説

社内SEとは事業会社に在籍するITエンジニアを指します。

英語では社内SEを「IT Department」と表記することが多いです。

社内SEが売上・利益を作るわけではなく、コスト部門(間接部門)として位置づけられることが大半です。

事業や経営の視点でITの活用の提案や、日々のIT業務をサポートする仕事内容となります。

企業規模や組織の位置付けによって社内SEの仕事内容や年収に大きな差があることに注意しましょう。

もし、就活や転職において特定企業の社内SEの仕事内容を知りたい方は個別に確認することが重要です。

社内SEの仕事内容

ここでは社内SEの基本的な仕事内容を網羅的に紹介していきますが、就活や転職において社内SEを狙っている方は具体的な仕事内容をヒアリングすることが重要となります。

仕事内容1:機器管理・セキュリティー管理・ネットワーク管理

社内SEの仕事内容に機器管理・セキュリティー管理・ネットワーク管理などがあります。

これらは情シス(情報システム部)の仕事内容ですがIT部門が小さな企業では社内SEが全てを引き受け、Windowsの操作に関する質問からセキュリティーを担保したシステム運用まで幅広く対応するヘルプデスク的な役割も行います。

そのため幅広いシステムの知識と経験が必要となります。

仕事内容2:システムの構築・運用・管理

社内SEとして全社員の勤怠管理や特定部門の生産管理、海外展開のためにグローバル対応など会社が利用するシステムの提案から構築・運用・管理の仕事があります。SEらしい仕事といえるでしょう。

運用にのせるためにはヘルプデスク的な役割を担うこともあります。

通常のSEと違う点は会社にとって投資対効果のある成果を出す必要がある点です。

安定稼働し運用にのせるのはもちろん、システム投資に見合う成果を測定し報告していく必要があります。

通常のSEと比べると事業視点の高さが求められます。

仕事内容3:ITを活用した経営・事業の戦略立案と推進

社内SEの仕事として経営陣とIT戦略の立案・推進があります。

たとえば製造業などでは納期を短縮して競争力を高めたり、利益率向上が経営課題の場合を考えてみましょう。

会社の運用フローや情報の流れを整理し、どこにタスクの無理・ムラがあるかを分析し、どういう仕組みが必要かをとりまとめます。

運用の見直しやシステム化企画をしてシステム部分の要件策定や見積もり取得、開発のためのベンダー管理をしていきます。

この仕事では経営陣の狙いや考えをしっかり把握し二人三脚で経営目標達成のため仕事を推進する必要があります。

そのためには外部環境や内部環境なども把握し、経営目線を持って取り組む必要があり、柔軟なコミュニケーション能力と提案力が必要となります。

社内SEの年収は中堅企業のSEと同じレベル

社内SEの年収は452万円というデータがあります。

普通のSEの年収は会社の規模や年齢に応じて300万円〜850万円と幅がありましたが中堅企業のSEと同じ程度の年収の傾向です。

社内SEと普通のSEを年収だけで比較すると、次のようになります。

大手企業のSE > 社内SE ≧ 中堅企業のSE >> 零細企業のSE 社内SE

零細企業のSEなら社内SEへ、大手企業のSEならそのまま在籍したほうが年収の面では良いでしょう。

社内SEのキャリアは市場価値から見ると厳しい

社内SEとなったらどんなキャリアを歩むのでしょうか。

企業内からと企業外からの両方の観点から見ていきましょう。

企業内から見たときの社内SEのキャリア

企業内から見た社内SEのキャリアは、情報システム部門の一般社員から課長、部長と歩むのが一般的でしょう。

コスト部門であるため、わかりやすい成果を出していく必要があります。

企業によっては情報システム部が2人など少数なこともあり、採用からキャリアの準備を自分自身で行う必要があるでしょう。

そのため、キャリアを気にされるような方は大きな情報システム部門を形成されている企業選びをすることがおすすめです。

また企業によってIT戦略の価値は違うため、同じ仕事内容でも評価がまったく違う場合があります。

そのため、転職先選びには求人情報を見るだけでなく、転職エージェントへの相談がとても重要となります。

採用の背景を確認したり社内SEは企業内でどのような位置付けかを確認しましょう。

企業外から見たときの社内SEのキャリア

企業外から見たときの社内SEのキャリアは、仕事内容によって評価が大きく変わることが特徴となります。

具体例を紹介するとわかりやすいため

  • 新卒から社内SEの場合
  • 30才で社内SEに転職した場合

の例で紹介していきます。

新卒から社内SEの場合

新卒から社内SEの場合、技術力やプロジェクトマネジメントがどれくらい付くかによります。

システム構築を発注するような場合、あまりスキルが身につかない場合が多いです。

その場合、28才くらいまでに転職しなければ、転職時に市場価値も低く会社に依存しなければなりません。

30才で社内SEに転職した場合

経営者や事業責任者とシステム企画を進め成果を出す人は市場価値も高く引く手数多でしょう。

ただし、機器管理やヘルプデスク、システムの運用のお守りなどしかしなかった場合は、年齢に合った市場価値はなくなり、次の転職は相当厳しくなります。

つまり企業外から見たときキャリアとしては、就職ではなく「就社」になる可能性が高いです。

定年間近であれば良いですがもしそうでなければ、「市場価値」を意識して転職活動をしたほうが良いでしょう。

この点関して転職エージェントの立場から紹介している良い記事がありますのできになるかたは合わせて確認しましょう。

>【整理】転職先としての「社内SE」の危うさ ーSIerから人材紹介業界に転職した経験から考えるー

社内SEはラク?暇?

社内SEは問い合わせや障害、システム導入がなければ楽かもしれません。

SIerのように工数管理された仕事の仕方ではなく、納期も調整が利くためSEならではの大変さが少ないのも事実です。

ただし、間接部門のため、社内SEの人数は最低限となっています。

その中で突発的に発生する問い合わせやトラブル対応はストレスになる方も多くいます。

全社の情報セキュリティー対策やネットワークの稼働も常に安定供給する必要があります。

つまり社内SEには、違った苦労があります。

間接部門となる社内SEは縁の下の力持ちとして会社を支え続けることが求められそこで貢献・評価されるのは並大抵のことではありません。

隣の芝は青く見えるものだと心得ましょう。

もし本当にラク・暇な社内SEがあったとしても、それは成長がないことを意味するため市場価値がなくなる人材となるでしょう。

給与、待遇、転勤など不満・不安があっても会社にしがみつくような会社依存な人になります。

社内SEを目指すために必要なスキル・資格はITスキル×事業・経営目線×ホスピタリティー

社内SEになるために必要なスキルセットは何でしょうか。

この章では、必要なスキルを紹介し、どのように身につけていくのか、おすすめな資格はあるのかを紹介していきます。

社内SEを目指す方は、適性を知るためにもぜひお読みください。

社内SEに必要なスキルセットはITスキル×事業・経営目線×ホスピタリティー

社内SEの仕事内容から必要なスキルセットをピックアップしていきましょう。

社内SEとして求められるスキルは下記が挙げられます。

  • 幅広いIT知識
  • 事業目線でのシステム企画
  • 経営者視点でのシステム企画
  • 全社員のIT業務をサポートするホスピタリティー

逆に、プログラミング力やプロジェクトマネジメント力は一般のSEほどは求められないでしょう。

もちろん会社における社内SEの役割やあなたの年齢に応じて必要なスキルセットは変わってきますのでご注意ください。

社内SEのスキルセットを身につける方法とおすすめ資格

社内SEの必要なスキルセットを身につける方法やおすすめの資格を紹介していきます。

幅広いIT知識を身につけるにはメルマガ登録がおすすめ!

システムと取り巻く状況は刻々と変わっていきます。

社内SEはその状況についていき、経営者や取引先、従業員の人からの指摘や疑問に答えてく必要があります。

後手とならない対処をするためにも幅広いIT知識は常に取得している必要があります。

身につける方法としては毎日情報をキャッチアップする仕組みを作ることがおすすめです。

例えば、下記があります。

  • @IT:IT関係者向けのメディア。メルマガ登録がおすすめ
  • 日経新聞:経済を知るための鉄板
  • Googleアラート:登録したキーワードの新着情報をメールでお知らせ

継続的に情報収集することがポイントです。

そのため気になるテーマから見ていきましょう。

おすすめの資格は特にありませんが基本情報技術者試験には合格しておくことがよりベターです。

システムに関する基礎知識はもちろん個人情報や情報セキュリティーに関するテーマもあり、幅広い知識を得ることができます。

事業目線でのシステム企画は当事者意識が大事!おすすめ資格は特になし

事業の効率化や差別化のためにシステム企画し社内SEとして活躍するためには、当事者意識が大切です。

ただ、当事者意識をつけろと言われて付くものでないのも事実です。

取り組みとしては下記があります。

  • 自分で各部署の作業を体験する
  • 事業に関する企画を自分で作ってみる
  • 競合他社の事例を情報収集する

ことがあります。

「自分で各部署の作業を体験する」は、業務内容を理解するだけではなく、相談し合える仲間が増えるという点でもおすすめです。

システム導入時も協力を得やすくなります。

「事業に関する企画を自分で作ってみる」に関しても自分で企画することにより、ビジネスモデルや取引先、今後の事業計画などが予測できるようになっていきます。

ここに興味ある方は「リーン・スタートアップ」という本がおすすめです。

リーンスタートアップは事業を成功するためにどう進めるかを紹介しています。

小さく産んで大きく育てていく方針で紹介していますので事業の規模を問わず実践可能なアイデアが満載です。

この本を読むことであなたの事業企画力・推進力は増すでしょう。

「競合他社の事例を情報収集する」については、メルマガやセミナー、シェアされている記事から情報収集しましょう。

例えば次のような記事が革新的な事例でおもしろいです。

>「AWSは、勝手に値下げしてくれる」 東急ハンズ・情シス担当が語った、AWS導入のすべて

東急ハンズ・情シス担当が語った、AWS導入の事例です。

事業目線を養うためのおすすめ資格はありません。

OJTで身につけていきましょう。

経営者視点でのシステム企画には経営者の考え方を柔軟に受け止めるマインドとコミュニケーション能力が必須!

経営者が考える課題や将来像を深く理解した上で情報戦略を立案・推進する社内SEにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

これは経営者のタイプによってだいぶ求められるスキルが違うと思いますが、ポイントとなる一例を紹介すると下記があります。

こちらを対処するにあたり、おすすめの資格はありません。

業界・会社・経営者をどれだけ興味を持ち、熱意をもって取り組めるかが大切になるでしょう。

おすすめの本は「ビジョナリーカンパニー」です。

企業理念の大切さを成功企業の考察から紹介しています。

経営者は必ず読むほどの良書です。

この本を読むことで経営者が普段言わないような深層心理な考え方を理解できるでしょう。

4巻までありますが、1巻、2巻はは必ず読みましょう。

経営者視点を養うための資格はありません。

経営者との多くのコミュニケーションをとることを心がけましょう。

全社員のIT業務をサポートするホスピタリティーは適性が大切

全社員のIT業務を円滑に進めてもらうための仕事も社内SEのひとつです。

Windowsや社内システムの利用で悩まない仕組みを作ったり、困った時に即座に対応するなど全社員の業務が円滑に進むことに気配りできることが大切です。

必要となるスキルとしては

  • 従業員の業務の理解
  • 全社員と率直な意見を聞いたり提案するためのコミュニケーション力
  • Windowsの使い方
  • 情報セキュリティー対策と事故発生時の対処方
  • 機器管理などの運用設計・推進力

があります。

「間接部門として従業員のために奉仕できる」というサポータータイプな方に適性があります。

そのため雑用とかを文句言いながら作業する人にはおすすめできません。

適性なくヘルプデスク的な社内SEを行うことは大きなキャリアのミスマッチとなります。

おすすめの資格としては平成28年から国家資格となった「情報セキュリティマネジメント試験」がおすすめです。

>情報セキュリティマネジメント試験(SG)

また普段あまり耳にしませんが「ITIL」もおすすめです。

システムを提供している側が、インシデント(障害・要望など)にどう対応していくかという運用のベスト・プラクティスです。

>Information Technology Infrastructure Library – Wikipedia

これまで社内SEに必要なスキルやマインド、資格について紹介してきました。

経験者向けに解説してきましたが未経験の人でも社内SEになれるのでしょうか。

社内SEは未経験でも可能!ただし学ぶ意欲は必須

未経験でも社内SEができるかどうかは、業務内容や情報システム部門の大きさに影響します。

この関係を未経験者でも社内SEになれるかを表にしました。

業務内容情報システム部門の大きさ
 大きい小さい
社員が利用するパソコンの管理を行う○:可能△:場合によって可能
システムの構築・運用・管理を行う○:可能×
経営層と密にIT戦略を立案・推進していく××

こちらから分かるのは、未経験の人はできる限り情報システム部門が大きいところを選びましょう。

フォローアップが充実しているため組織的にサポートしてもらえるでしょう。

サポートがあるといっても未経験は人一倍苦労するのは当然です。

学ぶ意欲が低い人でも 簡単にできるラクな仕事は多くありません。

挑戦意欲が少ない人は会社のためにもあなたのためにも見合わせたほうが良いでしょう。

まとめ

社内SEの仕事内容は幅広く、会社の規模・情報システム部の規模に応じて役割は大きく変わります。

必要なスキルについては役割に応じて違います。

そのためあなたのスキル、経験に合わせた求人を見つけることが社内SEへの転職に一番重要なポイントです。

個別にキャリア相談したい方
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