人より強みや特徴的な経験がないと自己PRでは何を書いたら良いかと悩みますよね。
私はこれまで約10年間、上場企業の採用担当として採否を決定してきました。
書類選考してきた数だけで言えば1万人を超える就活生の自己PRを見てきました。
これらを見て感じるのは「圧倒的なスキル・経験がなくても書類選考に通過できる」ということです。
つまり自己PRには書き方(伝え方)があり、コツさえつかめば書類選考の通過率はグッと高くなります。
この記事では、採用担当が学生を見ているポイントをお伝えし、それを高評価に見せるテクニックを紹介していきます。
これから書く文章を読めば、どんな学生でも、自信をもって自己PRを履歴書に記載することができるでしょう。
ぜひ書類選考を突破して、第一志望の企業に入りましょう!
目次で流し読み
自己PRとは、企業に自分の能力を買ってもらうということ
自己PRとは、企業に自分の能力を買ってもらうことです。
自分の良いところを伝えるだけではなく、会社が欲しがる能力を示すことが自己PRでは特に大切となります。
企業が欲しがる能力としては、
- チームワークをもって物事を解決する能力
- 厳しい仕事でも音をあげず最後まで仕事を推進する忍耐力
などです。
このような企業が求める人物像を企業ホームページの社長メッセージなどから読み取ることで
- 素直に仕事をできる人材が欲しいのか
- 理念に共感した学生が欲しいのか
- ロジックに強い学生が欲しいのか
などを把握することができます。
企業が求めている人物であることを自己PRで伝えることだけで、注目されるエントリーシート(履歴書)となります。
超重要!自己PRを書く目的は書類選考を通過し面接に進むこと
自己PRの最大のポイントは、面接に呼ばれることです。
就職は求人と求職者のマッチングです。
相手の求めることを理解して合わせることでグッと書類選考の通過率が高くなります。
自己PRは一方的に行うものではなく、自分自身の能力を、企業に欲しい!と思わせることが大切です。
目的なく独りよがりの自己PRが大半です。
この記事を読んだあなたはぜひそのような失敗だけは回避してください。
自己PRは1分で理解できる程度の分かりやすさで書こう
書類選考で最も採用担当者が注目しているのは、読みやすいだけではなく、学生なりの頑張りが伝わってくる文章になっているかどうかです。
採用担当者は、面接選考以外にも大量の仕事を抱えており、履歴書1枚を読む時間は、わずか1分ほどです。
採用担当がいる人事部は最近では、お金を生まない部門として人数を減らされている傾向にあり、学生の採用に割く時間が圧倒的に不足しています。
そのため、短い時間で、出来るだけ伝わる文章を書く必要があります。
次章では、実際に書類選考を突破するために必要な履歴書の書き方をお伝えいたします。
就活を突破する自己PRの書き方4STEP
就活を突破するためには、会社の情報を知り、相手の会社に有効な自己PRを書く必要があります。
採用担当者や企業の求めている人材像を知り、自己PR戦略を立てましょう。
この自己PRの書き方を知ることで、書類選考を突破することができます。
STEP1:自己PRのための材料を集める(企業を知る)
企業の求めている人材像を知ることが出来なければ、企業の求める自己PRを作成できません。
そこで企業の求める人材像を、以下の3つの情報源から企業分析しましょう。
- 採用ホームページの社長メッセージなどを見る
- 採用ホームページにある採用担当メッセージを読む。どんな人材を求めてるかヒントがある。
- 実際にOB・OG訪問で、志望する企業の社員の人柄を知る
各企業の経営者、採用担当の発信するメッセージには、求めている人材像を知るヒントが隠されています。
また、OB・OG訪問で、志望する企業の社員の人柄を知ることで、どんな性格の人物が採用されているかが分かります。
裏話になりますが、OB・OG訪問での学生の印象を、社員から聞き、採用担当者はチェックしています。
OB・OG訪問をすることで、企業の採用担当はどんな学生に会ったのかなどの情報を知ることになりますので、選考上有利になるメリットがあります。
STEP2:将来的に、会社でどう活躍できるかを明確にする
学生はまだ若く、職歴もこれから作っていく段階なので、潜在能力の部分を非常に注目して企業は採用をしています。
そのため将来、会社でどう活躍できそうかを明確にすれば企業が採用する理由ができ選考が通過する確率が高くなります。
入社後にどう貢献できそうかを具体的に思い描きましょう。
根拠があり具体的であればあるほど通過率は高くなります。
STEP3:「STEP2」の活躍ができる理由を、学生時代の経験から証明する
「STEP2」で考えた貢献できそうなポイントをなぜできるか説明できるようにしましょう。
学生時代に打ち込んだ勉強や、部活動・ゼミ・アルバイトなどから、自分自身にしかない体験を通して、成長して貢献できる理由を考えましょう。
その理由が説得力あるほど会社に強くアピールできるようになります。
STEP4:「活躍できること・理由・事実」の順番で文章を作る
最後に、
- 活躍できること
- 理由
- 事実
の順番で文章を作ります。
これは説得力を高めるかんたんなテクニックです。
理由と事実を添えることで伝えたい自己PRの説得力が劇的に高まります。
具体例をあげます。
自己PRの例文
(活躍できること)私の強みは、忍耐力です。
私は企業において、決められたことを守りつつも、仕事で求められる成果をあげ、活躍することができます。
(理由)厳しい体育会の練習に耐えた私は、決められたことを最後までやりぬく力があります。
(事実)大学1回生から現在に至るまで、厳しい体育会サッカー部に所属し、先輩たちからの伝統や教えを守り、厳しい練習を乗り越えてきました。
体育会サッカー部は、学生が入部しても1年も持たずに、入部して半分が辞めていくような環境でした。
大学のサッカー部は、スポーツ推薦で入学した猛者ばかりでしたが、レギュラーとして大会に出場し、何度も勝利を収めることが出来ました。
この経験によって、企業での厳しい仕事に耐え抜く力を身に着けることができました。
企業に入ってからは、苦しいことがあっても、前向きに仕事に取組み、成果をあげたいと考えています。
コラム:それでも自己PRが「ない」方におすすめの方法
自己PRがない、と悩んでいる方も多いと思いますが、心配する必要はありません。
自己PRのハードルを上げすぎているから、なかなかいい自己PRができないのです。
大学の勉強を頑張ったなど、普通のことでも十分自己PRになります。
先述した例では、企業が求めている体育会系の部活動に耐えたというニーズの高い例でしたが、大学時代に毎日図書館に通って本を何千冊も読んだ、ということや、継続して勉強に取り組んだという内容でも、伝え方次第では、十分に自己PRになります。
次章では、自己PRの例文を紹介していきます。
活用しやすい自己PRの内容になっていますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
就活を有利にする自己PRの例文を紹介
自己PRの例文を紹介いたします。
継続性や協調性のエピソードなど、よくある例文でも、活躍できること・理由・事実の順番でしっかりと採用担当者に伝えることが出来れば、オリジナル性の高い自己PRをつくることができます。
継続性を自己PRする例文
企業が求める継続性とは、仕事を最後まで粘り強く達成できるかどうかという、仕事をやり抜く力を求めています。
ただ単に続けたのではなく、なぜ続いたのか、どうやって最後まで続けることが出来たかを伝えるようにしてください。
継続性のある自己PRの例文を紹介いたします。
(活躍できること)私の強みは、継続性です。
毎日、大学の図書館に通い、1万冊以上の本を読破しました。
この継続性を活かして、企業での仕事に貢献していきたいと考えています。
(理由)読書を通して、様々な知識を得ることで、話題が広がり、幅広い年代の方とお話をできるようになりました。
読書を継続することで、様々な人たちとつながることができるようになり、続けていくモチベーションにもなりました。
(事実)1万冊の読書をしたことで、視野を広げることができ、様々な物事に対して興味を持つことができるようになりました。
本で読んだことを、SNSなどで発信して、意見を聞くことで、考え方の幅を広げることができました。
社会人の方たちの参加する読書会に参加することもあり、そこで仕事に対する考え方などを教えてもらい、継続することの大切さなどを学ぶことができました。
協調性を自己PRする例文
企業が求めている協調性とは、ずばり、全体で連携を取りながら成果を上げる能力のことです。
ただ単に周囲と同調してなんとなく仕事をする能力ではなく、全体と協調しながら、自ら主体的に行動し、結果を出せる人材が欲しいということです。
協調性のある自己PRの紹介を行います。
(活躍できること)私の強みは、協調性です。
協調性をもって企業での仕事の成果を上げる能力が私にはあります。
(理由)所属する法学部のゼミでは、ゼミが必修ではないため、真剣に参加している学生が非常に少なかったのですが、私は、ゼミでしっかりと勉強ができるように周囲に働きかけました。
司法試験の勉強の方が、ゼミをするよりも大切という風潮の中、ゼミ活動をしっかりすることは非常に難しい環境でした。
(事実)ゼミに参加しているメンバーに、まずは全員で同じ課題を行うことで、共通意識を持つように仕向けました。
バラバラに各自で、好きなテーマについて発表をするのではなく、同じテーマを全員で調べて、発表することにしたことで、ゼミの出席率は以前はわずかに50%程度だったものが、100%になりました。
協調性をもって周囲に働きかけることで、結束力を得て、出席率を向上させることができました。
経営者・採用担当者に評価されやすい自己PRの例文
上場企業や、歴史の長い安定した企業ほど、勉強ができる学生を欲しがります。
勉強をして偏差値を向上させるという、非常に苦痛を伴う行為に対して努力して、結果を出したというエピソードに共感を覚える人事は多いです。
「学生の本分は勉強である」と言い切る経営者も多くいます。
そこで、今回は、勉強に関する自己PR法をお伝えいたします。
(主張)私の強みは、努力家であることです。
(理由)高校時代、勉強を1年生と2年生の間は真剣に取り組まず、成績が非常に低かったです。
しかし、このままではまずいと思うようになり、必死に勉強に取り組みました。
高校3年生からは毎日必ず学校から帰ってきて3時間以上勉強に取り組むことを徹底しました。
(事実)猛勉強の結果、偏差値40代から70代まで向上させることができ、結果的には第一志望の早稲田大学、慶應義塾大学に合格することができました。
大学でも学業成績は上位を維持しています。
企業に入ってからも、この努力の経験をもとに、貴社の業務に貢献していきたいと考えています。
コラム:使いまわしと思われないように企業ごとに対策を行う
自己PRは、使いまわしと思われないように、企業ごとに対策を行う必要性があります。
使い回しと採用担当者が感じるポイントは、ずばり、どこの企業にも同じものを出していると思われてしまう自己PRです。
企業の発信している求めている人材像を、言葉にしてしっかりとつかみ、各企業に合わせるようにしてください。
次章では、実際に私が採用担当として面接官をしてみてきた、自己PRの失敗ポイントをお伝えいたします。
これさえなければ採用だったのにという非常に惜しいパターンの実例紹介なので、同じ失敗をしないようにしてほしいと思います。
自己PRでありがちな失敗3選!失敗事例も解説
自己PRでありがちな失敗例として、複数の自己PRを同時にしてしまう、話し言葉が長くなってしまうなどの詰め込みすぎがあります。
1点集中で伝えることを心がけましょう。
失敗1:複数の自己PRを同時にしてしまう
自己PRで伝えることは、一つだけに絞るようにしてください。
継続性なら、継続性についてのみ伝えるようにし、複数の自己PRは行わないようにしてください。
必ず自己PRするのは、一つのことだけです。
失敗2:文章が長くなってしまう
これまでの例文でも紹介してきたように、活躍できること・理由・事実に基づいて、短文で、簡潔に伝えるように心がけて下さい。
ほんとに何度もお伝えしても長く書いてしまう人が多いです。
何度も読み直し、簡潔に伝えることを意識してください。
失敗3:自分の長所を、ただ相手に伝えただけ
自分の長所をただ会社の採用担当者に伝えるだけではなく、書類選考者が「この学生はうちの会社に欲しい!」と思わせられるような自己PRを行うようにしましょう。
面接は商取引です。
あなたという商品を、いかに企業に高く売るかというポイントを意識して、入社後に貢献できることを伝えるようにしてください。
コラム:「コミュニケーション能力」の自己PRでありがちな失敗例
コミュニケーション能力を売りにする学生が非常に多いのですが、失敗している方が多いです。
具体的には「何のためのコミュニケーション能力なのか」を理解されてないようです。
コミュニケーション能力とは、ただ単に周囲の人間と話しやすい、話しかけられやすいといったものではありません。
周囲とコミュニケーションをとりつつ、仕事を円滑に進めて、成果を出すためにコミュニケーション能力は重視されています。
共通のゴールを見出し、双方の理想と懸念点を解消しながら進めることがコミュニケーションです。
もしコミュニケーション能力を売りにする場合には、企業が求めている、仕事の推進能力があるというアピールをするようにしてください。
企業が求めているコミュニケーション能力は、ずばり
「人の話を聞いて全体調整する能力」
のことです。
具体的には以下の例文を参考にしてみて下さい。
(活躍できること)私の強みは、コミュニケーション能力です。
人の話をしっかり聞きつつも、全体をまとめる力をもって仕事を推進することができます。
(理由)私は飲食店のアルバイトで、シフト管理を任されていました。
ほとんどが私と同じ学生アルバイトのため、普段からコミュニケーションをとっていないと、シフトに穴があくこともありました。
これではただでさえ忙しい飲食店で、お客さんが多い土日などはパニックになってしまいます。
そこで、シフト管理に工夫をすることにしました。
(事実)同じ学生アルバイトに対して、出勤日の確認をするだけではなく、何気ない日常会話からそろそろテストの時期だな、ということや、実家に帰省するといった細かい情報を普段から収集するようにして、先手を打ってシフトを組むことで、シフトに穴が空いてしまわないように工夫をしました。
結果的には以前よりもアルバイトの稼働率が上がり、店長からも褒められることになりました。
求められている能力の意図を間違えてしまうと思わぬ失敗につながりますので注意しましょう。
ロジックのある文章で他と差を付ける3つのポイント
ロジックのある文章で、他に差をつけるようにしましょう。
理由としては、ロジックのある文章を書くことが出来れば、優秀な学生だと判断されやすいためです。
現在では、新入社員研修にロジカルシンキングの研修を導入する人事(採用担当)もいます。
社会人になってから活躍できる素養を、学生の間から見せることができれば、非常に高評価となります。
ロジックのある文章の書き方を徹底解説いたします。
ポイント1:「主張・理由・事実」で伝える
ロジックのある文章とは、理路整然と、文章を読んだときに最後まで意味が通じる文章をいいます。
「主張・理由・事実」の順番で書いていくことで、ロジックのある文章になります。
ポイント2:結論から書く
ロジックのある文章にするためには、結論を先に書くことを徹底してください。
最初に結論を書くことで、採用担当者の目に深く印象が刻み込まれます。
理由としては、企業で働く社員は、ロジックを大切に仕事を進めているためです。
結論が最初にあり、そこに向かって行動するという習性が企業にはあるため、結論からしっかり文章が書かれているだけでも、注目度が高くなります。
ポイント3:数字で伝える
ロジックの利いた文章をさらにレベルアップさせるためには、具体的な数字を伝えることが大切です。
数字を入れることで、説得力が増すだけではなく、採用担当者により強い印象を残すことができます。
まとめ
就活における自己PRで大切なことは、企業に自分の能力を買ってもらう、商取引であるという感覚を持つことです。
会社のホームページをチェックしたり、OB・OG訪問を行うことで、企業が求める人物像を知り、それに合わせて自己PRを行うようにしましょう。
また、自己PRの材料としては、自分自身が経験したことであれば何でも構いません。
自己PRできるものがないと、過度に悩まないようにしてください。
必ず自己PRできるものがあります。
企業は学生の人柄で採用するかどうかを決定しますので、大きな実績がないと自己PRができないということはありません。
出来るだけ簡潔に結論から、しっかりと文章を書くように心がけるようにしてくださいね。
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