【要注意】WEB系からSIerの転職はきつい!WEBエンジニアとSEの仕事の違い

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クックパッドのような事業会社でWEBエンジニアをしている方は、

  • SEに転職できる?
  • 苦労する点はない?

と考えたことはないでしょうか。

事実、SE(SIer)からWEB系への転職記事は多いですがその逆、WEB系からSE(SIer)への記事はほとんどありません。

私はSEとWEBエンジニアの両方を経験していますが、WEBエンジニアからSEに転職した方はほぼいません。

今回は、WEBエンジニアの転職の悩みに沿ってSEへの転職を解説していきます。

具体的には

  • WEBエンジニアがSEをできるのか?
  • 気をつけるポイントは何か?

を紹介していきます。

そのためWEBエンジニアの弱みを強調して説明していきますが悪しからずご了承お願いします。

この記事を読むことで転職後のイメージがより明確にできるようになるでしょう。

ぜひ参考にしてください。

WEBエンジニアとSEのお仕事の比較

「SEってどんな仕事?」と思うWEBエンジニアの方は多いのではないでしょうか。

WEBエンジニアとSEの両方を経験した私から見ると、確かに仕事内容がまったく違い、想像が難しいと思います。

そこで、キャリア/仕事のスタイル/残業/給料/技術力次の観点でお仕事の比較を行いました。

  WEBエンジニア SE
キャリア 40才以上の年齢で全員が働き続けるイメージがない。
30代半ばから単なる開発では評価されない。
定年までのポジションがある
仕事のスタイル 自由。
事業に貢献できれば少々ビジネススタンスが低くても問題なし。
ビジネススタンスが低くい場合、歯車的なポジションとなる。
残業 SEと特に変わりなし。 WEBエンジニアと特に変わりなし。
給料 事業的な成果または技術的な難易度が高くないと中の上。 プロジェクトマネージャーになれば高給取り。
技術力 コーディング力はもちろん、マーケティングや事業目線が向上。 設計力、プロジェクトマネジメント力、品質担保の技術が向上。

ではSEで活躍するために必要となる資質は何でしょうか?

SEとして求められる資質・スキル

SEとして活躍するために必要な資質は何でしょうか?実は以外と多くあり難易度も高めです。

そのため、WEBエンジニアからSEの転職は少ないのでしょう。

この章では、私が必要と思う順番で紹介していきます。

難易度は30才以上をイメージしています。若いかたはポテンシャルを見られます。

今現在できている必要はありません。

年齢に応じて必要なレベルが変わりますのでご注意ください。

コミュニケーション能力・報連相

さっそく出てきます。コミュニケーション能力と報連相。

SEはプログラマーに指示をする役割となります。

プログラマーは控えめな人やクセがある人もおり、社員とは限りません。

SE側がさまざまな切り口でヒアリングし進捗把握や完成イメージのすり合わせを行います。

また、それらの情報をもとに開発はオンスケジュールなのか遅延中なのかを上司またはお客様に報告する必要があります。

対お客様については、立場や悩みを理解した上で課題を把握し、お客様に寄り添ってシステム開発を進める必要があります。

そのため、最低限のコミュニケーション能力と報連相が必要となります。

設計力

WEBエンジニアは設計が楽なパターンが多いです。

なぜなら、SEと比べて設計に次のような差があるからです。

WEBエンジニアの設計

WEBエンジニアが開発するシステムは自社サービスを提供するシステムです。

そのため、ビジネスの可能性を調べるために最短でシステムを作ります

中長期な目線である運用・保守や拡張性は二の次となります。

また、他のシステムと似通った作りになるパターンが多く、設計にそれほど時間がかからないことが多いでしょう。

さらに運用するメンバは固定化されているため、仕様書も作らず属人的になりがちです。

SEの設計

SEが開発システムは数年間運用することが前提ですので、その運用に耐えうる設計が求められます。

数年後に改修や再構築が入ることも多く、その時に自分や他の人が見た時にメンテナンスしやすい形で作っておく必要があります

そのため、作りやすさ/保守・メンテのしやすさ/拡張のしやすさを考慮した設計が必要なります。

また利害関係者を巻き込んだ運用フローの設計も必要となるのが特徴です。

設計力に関するアドバイス

上述の設計の違いにより、SEに必要となるスキルが見えてきます。

  • システム仕様、設計書を成果物とするドキュメンテーション力
  • 構築のしやすさ/保守・メンテのしやすさ/拡張のしやすさを考慮した抽象的な設計力
  • 利害関係者のワークフローの理解とシステム化による新ワークフローの推進力

転職後の会社でサポートを受けながら進めれば問題なくできるようになるでしょう。

品質の作り込み

品質の作り込みもWEBエンジニアとSEで大きく違います。

なぜなら開発手法が

  • WEBエンジニア:アジャイル型
  • SE:ウォーターフォール型

と大きく違うためです。

比較してその違いを見てみましょう。

WEBエンジニアの品質の作り込み

WEBエンジニアは一般的にアジャイル型の開発手法で作ります。

システムは、小さく作り、大きく育てていきます。

小さく作るので、外部設計/内部設計や結合テスト/単体テストの違いを区別せず開発を進めています。

SEが開発する業務システムと比べて権限に応じた処理や複雑な業務ロジックがなく、シンプルな設計となりがちなため、テストも簡易的ですみます。

そのため、品質の作り込み方を知らないWEBエンジニアは多いことが特徴となります。

SEの品質の作り込み

SEによる受託開発は一般的にウォーターフォール型で開発します。

理由は、契約時に費用とスケジュールを確定してしまうため、構築すべきシステムイメージと範囲(スコープ)を明確に定義する必要があるためです。

そのため、どんなシステムでも要件定義から外部設計と工程を進めます。

そうすることで要件・機能の抜け漏れを早い段階で精査することができます。

とくに要件定義でプロジェクトの成功・失敗の8割くらいが決まるといわれています。

そして品質の作り込みで忘れてはならないのは最後の砦であるテスト工程です。

テスト工程は単体テスト/結合テスト/シナリオテストなどと粒度を分けて行います。

分けることによって網羅性と深度の両方を担保しながら、品質を確保できます。

労力がかかりますが意外と突破力も必要な作業となります。

品質の作り込みに関するアドバイス

SIでは品質に対する考え方はとても厳しいです。

場当たり的に作るWEBサービスと違い、SIは品質そのものを作り込んでいきます。

ウォーターフォールによる品質の作り込みはSEに転職してからでも身につけることはできます。

ただし相応の努力は必要となりますのであらかじめ理解しておきましょう。

プロジェクトマネジメント・運営

プロジェクトマネジメントや運営と聞くと少し構えてしまう方もいるかもしれませんが、実はそれほど難しいものでもありません。

詳細は次の機会に譲るとして、次のような観点があります。

これらをひもとき、SEに必要なプロジェクトマネジメントのポイントは次のようになります。

  • スケジュール管理:納期までの進捗を管理する
  • 品質管理:品質の作り込みを管理する
  • スコープ管理:プロジェクト要件の線引きを厳格に行い、対応するもの/しないものを管理する

これら3つを意識するだけで、30人月程度のプロジェクトはまわせると思います。

管理とはいわゆるPDCAを回すことです。 計画を立て、進捗を管理し、予定通りでない場合は対策をうつ。

この一連の流れを、スケジュール/品質/スコープに対して行う形で進めればOKです。

テクニックでできる部分ですので問題ないでしょう。

年齢に対する求められる資質・スキル

これまで、WEBエンジニアがSEに転職したときに求められる資質・スキルを紹介してきました。

どれくらいのレベルが必要が不安になった方もいませんか?

実際に必要とされるレベルは年齢によっても変わります

企業によって様々でしょうが私が見てきたSIの現場では次のように考えています。

  • 27歳くらいまでの若手:上述の資質・スキルをあまり意識しなくても転職できるでしょう
  • 28歳〜32くらいの人:少なくとも上述の理解が必要となります。キャッチアップの遅れやミスマッチのリスクが高くなるためです。
  • 33歳以上の人:上述の内容の理解と勉強をしておきましょう。同年代のSEと比較すると出遅れておりSE転職後に短期間でキャッチアップができる人材であることを理解してもらう必要があります。

SE転職におすすめな人・おすすめできない人

SEに必要なスキルや資質を紹介してきましたが、どんな人がSEに向き、どんな人が不向きなのでしょうか。

ここではSEとWEBエンジニアの両方を見てきた私から見解を紹介したいと思います。

SE転職におすすめなWEBエンジニア

  • お客様のシステムを作りにやりがいを感じる人
  • 人とコミュニケーションしながらシステム作りをしたい人
  • システム開発の立ち上げからリリースを何度も体験したい人
  • プログラミング以外の仕事の幅を持ちたいなど、自分を変えたい人

SE転職におすすめできないWEBエンジニア

  • 新しい言語、新しい技術をとにかく適用したい人
  • 進捗報告を自分からするのができない人
  • 責任感のない人
  • 40歳、50歳もプログラミングをしたい人

アドバイスとしては「今できる/できない」よりも自分のなりたいイメージと合っているかでSEが合う/合わないを見ていけば良いでしょう。

わからない場合は周囲のSEや記事のコメントをしていだければと思います。

まとめ

この記事ではWEBエンジニアからSEへの転職に悩んでいる人に向けてお仕事の違いや求められるスキル・資質を紹介してきました。

基本的にWEBエンジニアとSEはスピードと品質の面において真逆の特性を持ちます。

この記事によってSEのお仕事の理解が深まれば幸いです。

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サイト監修者

ITエンジニアのアキです。
大手SIerのSEを7年、メガベンチャーのWEBエンジニアを5年経験しています。
名古屋工業大学 大学院 情報工学修士課程を修了、応用情報技術者など複数の資格を取得。 現在は独立し、自社サービスの開発やWeb制作をしています。

Twitter:@it_career_navi

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